基礎代謝(量)とは
基礎代謝や基礎代謝量という言葉は、雑誌やテレビなどで健康関連の話題を見聞きすると、何度となく聞いたことがあると思います。ここではもう一度、基礎代謝とはどんなものなのか、紹介しようと思います。
カラダが消費するエネルギー
人が1日に消費する総エネルギーは、
基礎代謝(60〜70%)+食事誘発性熱産生(10%)+身体活動量(20〜30%)
と3種類のエネルギー消費の合計になります。それぞれ、
- 基礎代謝は食物の消化吸収や呼吸、心臓の鼓動、脳の活動などで消費されるエネルギー、
- 食事誘発性熱産生とは食事中や食後に体がホカホカしだす時に消費するエネルギー、
- 身体活動量は文字通り立ったり歩いたり、考え事をしたりして日中活動するために消費するエネルギー、
となります。
基礎代謝
定義は「心身ともに安静な状態の時に生命維持のために消費される必要最小限のエネルギー代謝量」となっています。
眠っている時ではなく、目が覚めている状態で横になるなど安静にしている状態で呼吸や鼓動、体温維持などのために使われるエネルギーです。年齢別でみると最大になるのは10代の時で、その後加齢と共に減少していきます。
年齢だけでなく性別、体の大きさでも基礎代謝の量は変化します。成人時の男性で1日約1,500kcal、女性で1日約1,200kcalが必要だと見積もられています。
また、生命維持に必要なこのエネルギーは、心臓の鼓動や呼吸のための筋肉、消化吸収のための胃腸の活動などあらゆる臓器で満遍なく消費される訳ではなく、消費に偏りがあります。いわゆる筋肉と呼ぶ骨格筋と肝臓と脳でそれぞれ約2割ずつ、合わせて約6割の基礎代謝量がこれら3臓器で集中的に消費されます。
基礎代謝の増減
基礎代謝量は年齢を重ねると減少する一方ですが、食事の質改善や筋肉トレーニングの実行で増やすこともできます。
筋肉量の減少や加齢で基礎代謝量が減り、その量が仮に12%の減少だとすると、体温は1℃下がり、カロリー換算で200〜500kcalのエネルギーが消費されなくなります。基礎代謝量減少の前後で同じ食事を摂っていると基礎代謝量減少後はこれだけのエネルギーが余ってしまい、体に蓄積されるようになります。結果として体脂肪が増えることにもなります。
極端な食事制限や加齢で基礎代謝量は減少する一方で、食事の質を改善したり筋肉トレーニングを実行することで増やすことも可能です。
カラダの熱を奪う食材、温めてくれる食材をバランスよく摂取したり、トレーニングで筋肉量を増やします。筋肉は体内の熱を作るのに重要な働きをしているので、筋肉量が増えればより多くの熱(体温)を作ったり、自然と基礎代謝として消費されるエネルギーが増えます。
太りにくいカラダのために
性別、年齢別のおおよその基礎代謝量は、例えば書籍や厚生労働省のホームページなどで、公開されています。体組成計で測定した自分のおよその基礎代謝量が公開されている値よりも少ないときは体質的に脂肪がつきやすい、太りやすいと言えるかもしれません。
中高年以降になるとお腹や腰まわりに肉が付き始めますよね。ぜひ体組成計を使ってご自身の基礎代謝量を把握し、食事や筋肉のつき具合、日中の活動量などを見直してみましょう。
参考記事:
エネルギー消費の大半を占めるのは基礎代謝。効果的に上げるには? | POWER PRODUCTION MAGAZINE(パワープロダクションマガジン)